#103 2026年10月27日 23分

「悪党の代名詞」にされた男が、本当に書きたかったもの:君主論⑩

君主論シリーズ⑩

「マキャヴェリアン」——英語圏では、ずる賢い策謀家のことをそう呼びます。目的のためなら手段を選ばず、信義など気にしない、冷酷な権力者。500年前の一人のイタリア人の名前が、そのまま「悪人の代名詞」になってしまいました。

でも、9回を通じてこの本を読んできた僕たちなら、そこに少し違和感を感じ始めているはずなんです。「あれ、そんなに単純な話だったっけ?」と。

今回は、その違和感を丁寧に言語化していく最終回です。500年の誤解を一枚ずつ剥がして、マキャヴェッリが本当に言いたかったことに辿り着きます。結論を先に言ってしまうと、マキャヴェッリは「悪の書」を書いたのではなく、「覚悟の書」を書いた。

カトリック教会の禁書目録に指定され、シェイクスピアの台詞では悪党の代名詞として引き合いに出され、同時にナポレオンや現代の経営者が読み続けてきた本——なぜ500年経っても揺さぶるのか?。

サムネ画像:ロレンツォ・デ・メディチ(Lorenzo de' Medici, 1449年1月1日 - 1492年4月8日)。イタリア、フィレンツェのルネサンス期におけるメディチ家最盛時の当主。


参考書籍

  • マキアヴェッリ『君主論』河島英昭 訳(岩波文庫、1998年) ISBN 978-4-00-340031-9
    河島英昭による定番の新訳。本シリーズが底本として参照する原典。本エピソードは、第15章の宣言、第23章、そして第26章「イタリア解放への勧告」を扱っています。
    岩波書店 公式:https://www.iwanami.co.jp/book/b248711.html
  • 鹿子生浩輝『マキァヴェッリ ――『君主論』をよむ』(岩波新書、2019年) ISBN 978-4-00-431779-1
    『君主論』を時代背景と原典に即して読み解く入門書。シリーズ総括となる本エピソードの副読本に最適。
    岩波書店 公式:https://www.iwanami.co.jp/book/b452029.html


関連作品(エピソード本文に関連)

  • ニッコロ・マキャヴェッリ『ディスコルシ』(原題:Discorsi sopra la prima deca di Tito Livio/1531年刊、マキャヴェッリの死後出版)
    邦題は訳者によって『政略論』『ローマ史論』『リウィウス論』などと表記が異なる。本エピソードで触れた、共和国の存続力(第3巻第9章)を論じたマキャヴェッリのもう一つの主著。訳者・版が複数存在するため、版元・ISBNは本ページには記載していません。


番組で取り上げた書籍紹介

https://www.valuebooks.jp/shelf-items/folder/84676b46a574170


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