「何でも言ってほしい」という上司ほど、イエスマンを作る:君主論⑧
君主論シリーズ⑧
1on1が終わったとき、部下がこう言って部屋を出ていきました。「ありがとうございました。とても参考になりました」。
その言葉を聞いた瞬間、何かが足りない気がした。でも、何が足りないのか。
今回のエピソードは、一言でいうとこういう話です。上がってこない情報には、上げない理由がある。
マキャヴェッリは『君主論』第23章で、このことを「追従(おべっか)の罠」と呼びました。そして彼は、罠の指摘だけで終わらせず、具体的な対策を3ステップで書いています。
「うちは何でも言える雰囲気だ」と感じているとき、それはマネージャー自身が受け取れる情報が、ちゃんと届いているだけかもしれない。受け取れない情報——判断を否定する情報、問題を持ち込む情報——は、自然と届かなくなります。これは雰囲気の問題ではなく、設計の問題です。
参考書籍
- マキアヴェッリ『君主論』河島英昭 訳(岩波文庫、1998年) ISBN 978-4-00-340031-9河島英昭による定番の新訳。本シリーズが底本として参照する原典。本エピソードは、理想論との決別と権威の構造を論じる第15・16・17・18・19章を扱っています。岩波書店 公式:https://www.iwanami.co.jp/book/b248711.html
- 鹿子生浩輝『マキァヴェッリ ――『君主論』をよむ』(岩波新書、2019年) ISBN 978-4-00-431779-1『君主論』を時代背景と原典に即して読み解く入門書。第15章の「あるべき姿」批判から第19章の憎悪・軽蔑論までを扱う本エピソードの副読本に最適。岩波書店 公式:https://www.iwanami.co.jp/book/b452029.html
番組で取り上げた書籍紹介
https://www.valuebooks.jp/shelf-items/folder/84676b46a574170
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