マキャヴェッリ『君主論』をマネジメントで読む
「正しいこと」と「うまくいくこと」は、なぜ一致しないのか。500年前に書かれ、のちに禁書とされたマキャヴェッリの『君主論』を、新任マネージャーの悩みや社内政治、評価、1on1といった職場の場面に引き寄せて、10回かけて読みました。著者の生涯から始まり、最終回では「この本は本当に悪の書だったのか」に答えます。
エピソード
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『君主論』はなぜ500年読まれ続けるのかー神の秩序に挑戦した男:君主論①
「社内政治、嫌いですか?」——そう聞かれて、反射的に「はい」と答えたくなる人は多いはずです。でも実際の職場では、要領よく立ち回る人が評価され、正論を言い続けた人がなぜか孤立していく場面を、誰もが一度は見ているのではないでしょうか。 「正しい…
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なぜ君主論はリーダー論の古典とされるのか?ーー拷問を6回受けた男が最後に記したメッセージ:君主論②
「傭兵に頼る国は、いつか必ず滅びる」——外交官として屈辱を味わい続けたマキャヴェッリが辿り着いた確信です。1505年、彼はフィレンツェを説得し、自国民による市民軍づくりに動き出します。自ら農村を歩いて兵を募り、訓練を監督する。1509年には…
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同じ研修を受けた新任マネージャーが、正反対の評価になった理由:君主論③
同じ研修を受け、同じことを教わった二人の新任マネージャーがいました。「まずは傾聴から」——マネジメント研修で必ず出てくる、あの教えです。一人は、前任者から名指しで後を託された部署のリーダー。もう一人は、社内公募でかき集めたメンバーによる、で…
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世界を嘆く前に、動かせる半分を探す——チェーザレ・ボルジアが挑んだ「ゲーム」:君主論④
チェーザレ・ボルジアが戦った条件は、 彼が作ったものではありません。 彼が生まれる 210年前 、1265年に教皇クレメンス4世がナポリ王国をアンジュー家に授けました。だからナポリの王冠は教皇が授けるものになり、フランス王が武力で奪っても正…
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部下に嫌われたくないと思った瞬間、上司の価値は下がる:君主論⑤
マネジメントには、逃げられない構造が一つあります。 何を決めても、評価が裂けるのです。 今期の数字で見ている人からは「なぜあれを断ったのか」と言われ、三年後で見ている人からは「なぜあれを受けたのか」と言われる。どちらも、その人の立場からは正…
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「理想のリーダー像」を持つ上司が軽蔑される理由:君主論⑥
「あなたは、どんなリーダーになりたいですか」——マネジメント研修やコーチングで、一度は聞かれたことがある問いだと思います。共感力があって、透明性があって、メンバーの成長を支援して、ここぞというときの決断力もある。そういう像を描いたとき、「自…
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組織改革を遅らせているのは、上司の「優しさ」:君主論⑦
以前、あるマネージャーがこう言っていました。「チームをなるべく傷つけたくないから、変化は少しずつやっていこうと思う」。気持ちは、本当によく分かります。一度に大きく変えて、メンバーが離れていったら——そのリスクは怖い。 でも、結果はどうだった…
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「何でも言ってほしい」という上司ほど、イエスマンを作る:君主論⑧
1on1が終わったとき、部下がこう言って部屋を出ていきました。「ありがとうございました。とても参考になりました」。 その言葉を聞いた瞬間、何かが足りない気がした。でも、何が足りないのか。 今回のエピソードは、一言でいうとこういう話です。 上…
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「運が悪かった」で片づけていいのは、どこまでか——マネジメントの責任範囲を切り分ける:君主論⑨
上司が突然変わる。会社が買収される。担当していた市場がなくなる。業界の構造がガラッと変わる。自分の意志とは無関係に、外から降ってくる力——マキャヴェッリはこれを「フォルトゥナ」と呼びました。 一方で、判断力、関係資本、スキル、知識、チームの…
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「悪党の代名詞」にされた男が、本当に書きたかったもの:君主論⑩
「マキャヴェリアン」——英語圏では、ずる賢い策謀家のことをそう呼びます。目的のためなら手段を選ばず、信義など気にしない、冷酷な権力者。500年前の一人のイタリア人の名前が、そのまま「悪人の代名詞」になってしまいました。 でも、9回を通じてこ…